福祉と営利について

お金儲けは必要だ。

給料を貰っている以上、お金を生む出す(利益をもたらす)ことは必要だと考える。

福祉(医療・介護)のお金は、社会保険料と税金で成り立っている。必要なお金は分け与えるから、その中で社会の底辺を支える福祉を充実させることが役割であり、福祉の充実とは、国民全員の安心と安全の実現なのだ。

だからと言って、収支のことをまったく気にしなくて良い訳でもない。経営を安定させて、その福祉事業を長く継続させようとするということも必要なことである。

 

福祉に偏った考え方の人は、よくこのようなことを言う。

「なぜお金を出してくれないのか!利用者様(患者様)の為に必要なのに!」

利用者様のことを本当に真剣に考えた結果の発言であり、納得できる。

しかし、それを利用者様に与えるにはお金がかかる。収支が合わない。本当に必要なそれが、お金がないという理由から与えてあげれない。

それがどんなに利用者様の為に必要なものであったとしても、予算を湯水のようにいくらでも使って良いという訳ではない。ここまではできるけど、ここからはできないという線引きは発生するのだ。

結果、利用者様にそれを提供することはできず、利用者様にとっては不十分となる。

その理由がお金だとういうことになると、「冷たい!」「お金儲け主義!」「利用者様のことを考えてない!」となるのだ。そしてその発言をする職員は、毎月キッチリ給料を貰っている。

 

逆に営利に偏った考え方の人は、よくこのようなことを言う。

「福祉の人間は、営利のことをまったく考えてない!経営に関して無知すぎる!収支度外視で無茶なことを言っていくる!」

始めに書いた通り、お金儲けは確かに必要である。しかし福祉の本来の目的を何も知らずに、営利のことだけを考えることもいかがなものか。

国が福祉に分け与えるお金の意味を勉強せずに、どうすれば利益を生めるかだけを考えることは無知であり、福祉に携わる者の仕事としては手抜きである。稼げば稼ぐほど、利益を生めば生むほど良いというわけでもないのだ。

 

両者の考えを双方が理解して、福祉の人間は経営を、経営陣は福祉のことを、お互いどちらも勉強する必要がある。